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人事制度Q&A

U.賃金について

ご質問  当社は、創業30年の会社です。賃金の諸手当ですが、中途採用が増えるたびに、他の社員とのバランスを取るため、ドンドン手当項目を増やしてしまったため、現在では通勤、住宅、家族、資格、技能、地域、食事手当・・等全部で10項目もの手当になりました。今後は手当を少しずつ無くしていきたいのですが、どのようにすべきでしょうか?また手当をカットすると賃下げになり、労働基準法違反になりかねませんか?
(岐阜県・建設業・60名)
回答 御社の場合は、手当の支給基準が曖昧だったため、諸手当が増え続けたと判断します。

【残すべき手当と廃止する手当の検討】
今後の改善方法としましては、[1]今後も残すべき手当と見直す手当を決めて下さい。世間一般の考えというより、社長の考え、従業員に対する思い、組織運営上必要という視点で検討して下さい。そして、残す手当の目的や支給基準を明確にし、その基準は賃金規程に明確に盛り込んで下さい。

【見直しの手順】
[2]諸手当の見直し方法ですが、基本的には ( 1 ) 基本給に繰り入れる、 ( 2 ) 廃止するの2点です。 ( 1 ) の方法は、基本給が時間外手当・賞与・退職金等に連動している企業は人件費アップにつながりますので、どの程度が自社の許容範囲かを決め、決定して下さい。基本給に繰り入れない手当は ( 2 ) の方法になります。

【廃止する場合の注意点】
廃止する方法としては、廃止するまでの猶予期間を設定することです。具体的には、3年を目安に毎年均等額あるいは3年後に一括償却する方法が良いです。特に諸手当廃止で月給が減少する際は、労働組合や従業員と十分に話し合い、会社の現状を説明し、例えば、諸手当の減少分は賞与等の成果配分で前向きに対処する等の会社・賃金方針を説明する必要があります。突然、削減しますと不利益変更になる可能性もありますので、よく慎重に対応して下さい。
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ご質問  我社の職種には、配送職と事務職があります。現在の賃金体系は、諸手当の他、基本給はすべて一本です。現在の中途採用が増え続ける状況では、一つの賃金体系では調整に無理があり、見直しが必要です。どのような改善方法をしたらよいのでしょうか。
(愛知県・物流業・75名)
回答 そうですね。配送職と事務職では、仕事内容も違いますし、業務の成果や生産性も違います。

【複数の賃金テーブルの設定】
よって、この場合においては、 賃金テーブル(表) を配送職と事務職の2つに再設定すればよいでしょう。専門的に言いますと複線型人事制度を構築することになります。

【賃金テーブル策定のステップ】
設計の仕方ですが、例えば、賃金体系を年齢給(ベース給)と能力給の2つに設定する場合、
( 1 ) 各々の職種における年齢給および能力給の賃金表の作成
( 2 ) モデル賃金表の策定
( 3 ) 本人への仮格付け
( 4 ) 新賃金体系への移行
というステップになります。

【モデル賃金表による賃金テーブルの検証】
特に ( 2 ) のモデル賃金表ですが、これは ( 1 ) で策定した賃金表が妥当かどうかを検証する意味において必ず作成して下さい。それ以外にこのモデル賃金を社員に公開する事により、自分がどのくらい頑張れば、何歳(役職)で年収がいくらになるかを具体的にイメージでき、本人への仕事やキャリアアップに対するさらなる動機付けにもなります。
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ご質問  我社の賃金体系は、基本給と諸手当で構成されています。昇給や賞与の決定は、特別なルールが在る訳ではありません。社長の私が社員の仕事振りを見て決定しています。来年には、5年振りに新卒が3人入社します。このままの給料規程でいいのでしょうか。
(愛知県・建設業・15名)
回答 組織のマネジメントという観点から言いますと、従業員が15名以上になると、社長業の範囲も広くなり、細かいところまで社長の目が届かないことも多くなります。

【トップが期待する内容を盛り込んだ評価制度の構築】
よって、今後は、管理者が率先して業務管理や部下管理(指導)できる体制にしていく必要があります。そのときに社長が管理者に期待する成果や期待事項を明確にした方針書、すなわち「評価制度」が必要になります。その評価制度に「部下指導」「部下育成」という項目が入れるか入れないかによって、これから入社してくる新入社員の成長のスピードが変わってきます。

【評価制度と賃金制度をリンクさせるルール作り】
次にその評価制度と賃金制度を今後は、上手にリンクさせないといけません。
  具体的に言うと、どの評価結果になれば、いくらの昇給になるのか、いくらの賞与になるのかの基準を明確にしなければなりません。それが給料・賞与規程になります。今後の御社の社員育成という観点から考えると、給与規程の改定と同時に評価制度の構築が急務でしょう。
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ご質問  当社は、2年後に60歳になる社員が5名います。60際になったら、継続して欲しい社員と辞めて欲しい社員がいるのです。最近、定年延長の義務化の法律が施行されたことを地元会議所の会報で初めて知りました。退職時に本人に会社の意思を伝えれば、それだけでよいのでしょうか。
(愛知県・製造業・50名)
回答 【法律の改正ポイント〜(1) 65歳までの雇用確保のための3つの措置】
ご承知の通り、65歳未満の定年の定めをしている事業主は、下記いずれかの高年齢者雇用確保措置を2006年(平成18年4月)から講じなければなりません。1.定年年齢の65歳までの引上げ 2.継続雇用制度の導入 3.定年の定めの廃止(エイジフリー)です。

【法律の改正ポイント〜(2) 年齢の段階的な引き上げ】
この制度には、65歳までの雇用確保措置に係わる年齢の段階的な引き上げが講じられています。 、以下のとおり、年金(定額部分)の支給開始年齢の引上げスケジュールにあわせ、平成25年4月1日までに段階的に引き上げていくこととしています。
平成18年4月1日〜平成19年3月31日 62歳
平成19年4月1日〜平成22年3月31日 63歳
平成22年4月1日〜平成25年3月31日 64歳
平成25年4月1日〜 65歳
【法律の改正ポイント〜(3) 労使協定による継続雇用の基準作り】
なお、2の継続雇用制度については、原則は希望者全員を対象とする制度の導入が求められますが、各企業の実情に応じ労使の工夫による柔軟な対応が取れるよう、事業主が労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者の基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、「継続雇用制度」の措置を講じたものとみなされます。つまり、労使協定で継続雇用制度の対象となる労働者の基準を定めれば、希望者全員を対象としない制度の導入が可能となります。

よって、御社の場合、まず、3つの高年齢者雇用確保措置の内、どの制度を講じるかを早急に検討しなければなりません。現実問題、中小企業の場合は、いろいろな視点で考えてみると「継続雇用制度」を選択されることをお勧めします。そこで、御社が「継続雇用制度」を導入することを前提にお話します。

【法律の改正ポイント〜(4) 具体的な継続雇用基準作りのポイント】
そうしますと、次に検討すべき事項としては、「継続雇用制度の対象者の選定基準」です。今回の法律では、継続雇用制度の対象者の選定基準については、1.意欲、能力等をできる限り具体的に測るものであること、2.必要とされる能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること、になっています。
不適切な基準の例
・会社のみとめた者
・上司が推薦した者
・男性に限る
・組合活動に従事していない者
適切な基準の例
「働く意思・意欲」に関する基準例
・引き続き勤務することを希望している者
・再雇用を希望し意欲のある者
・定年退職後○年前の時点で本人に再雇用の
希望を確認し気力について適当に認められている者
「勤務態度」に関する基準例
・過去○年間の出勤率○%以上の者
・無断欠勤がない
・懲戒処分該当者ではないこと
「健康」に関する基準例
・直近の健康診断の結果、業務上に問題がないこと
・60歳以降に従事する業務を遂行する上で
支障ないと判断される者
・業務に支障がない健康状態にある者
「能力や経験」に関する基準例
・過去○年間の平均人事考課が○以上であること
・職能資格等級が○級以上であること
・建設業務に関する資格を保持していること
「技術伝承等」に関する基準例
・指導教育の技能を有する者
・会社にとって必要かつ特殊な技能を有する者
以上の基準内容は、あくまでも参考で、絶対ではありません。よって、労使間で十分に協議し、御社の実情に合わせた基準作りを策定下さい。

【法律の改正ポイント〜(5)長期的な人材ビジョンを視野に入れた人事制度構築の必要性】
また、「継続雇用基準作り」の他に「賃金」「賞与」「退職金」等の待遇面や仕事内容(従来通りか全く違うのか、労働時間等)も同時に検討する必要があります。この「定年延長」「継続雇用」を契機として、御社の人事制度が未整備であるならば、人材確保・育成という視点で既存の人事制度を再構築されることをお勧めします。単なる継続雇用だけでなく、長期的な人材ビジョンを視野に入れた人事制度構築は今後は益々、必要になります。

参考:
厚生労働省「継続雇用制度対象者に係わる基準事例集」
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